顔は筋肉でできている
皮膚の下に筋肉があります。筋肉が動かなくなり重力に負けると下がってきます。さらに、老廃物の回収を担当するリンパは筋肉がポンプのような働きをすることで流れます。筋肉が動かなくなることで、皮膚が下に下がり、むくみが発生します。つまり老け顔になってしまいます。
若顔ポイントはモダイオラスにあった!
“モダイオラス”という聞きなれないお顔のポイント。ここが実は若顔ポイントです。
モダイオラスが硬くなると、皮膚と一緒になって下がります。口角が下がる、ほうれい線が目立つという審美的問題が発生します。
モダイオラスは、顔の中の東京駅のような存在で、そこで渋滞が発生していると、すべての電車の渋滞につながります。顔中の血液やリンパ液の循環が悪くなり、筋肉の働きを阻害してしまいます。
モダイオラスは小臼歯の頬側部に位置する結節で、口輪筋、頬筋のほかに口角下制筋、口角挙筋、大頬骨筋、小頬骨筋、上唇挙筋、下唇下制筋、上唇鼻翼挙筋などの筋や頬小帯の繊維の一部が収縮して厚く結節状となる部位である[1][2]。
歯科、特に義歯などの作製においては、この部分が義歯の頬側床翼(前部)形態に関係し、義歯の維持安定と口角部の機能・審美性に重要な部分とされており[2]、診査のひとつとされることが多い。
Wikipediaより
顔の筋肉がこっている?
偏った筋肉ばかり使う、もしくは筋肉を使わないと血行不良を起こします。リンパ液は、筋肉が正常に動くことで、心臓方向に向かって押し出されるように流れます。筋肉が正常に動かないとリンパ液が滞ります。リンパには脂肪成分の回収とか老廃物の排泄作用などがあります。口の周りのリンパの流れが滞るということは、口の周りが脂肪成分や老廃物により“むくんでいる”という状態になります。
への字口やほうれい線が目立つのは、加齢だけが原因じゃない。
加齢による筋力低下や口の周りに筋肉をしっかり使わないと顔の下半分くらいがむくんでしまうのです。
現代の生活ですとかなり意識しないと口の周りの筋肉を使わない生活を送ってしまいます。
・かたいものを噛まなくなった
・大きな声を出して、コミュニケーションをとらなくてもよくなった
・ポカン口の人が増えた
などの原因で、現代の人は若い人でも口の周りがむくんでしまっている人が少なくありせん。
唇を上にあげる筋肉は、皮膚表面から深い場所にある。
特に上唇挙筋(じょうしんきょきん)の働きが大きく関わっています。
上唇挙筋は、上唇を上方に引き挙げる筋肉ですが、小鼻の横辺りを指で触って、嫌悪感を表す表情をすると、触れることが出来ますが、皮膚上から緊張を確認することが困難な筋肉です。筋肉層の深部に位置するためです。
テレビでよく小顔マッサージやエステティックの特集をしていますが、タレントの方が『痛い痛い・・』と叫ばれています。皮膚からアプローチすると角質層という固い皮膚の奥にあるために、相当な力を入れないと、上唇挙筋まで到達しません。また、筋肉を触ってわかるようになるまで相当の経験が必要になってきます。
一方、口の中からのアプローチだと、すぐに上唇挙筋に到達します。痛みに耐えながら、小顔マッサージを受けなくとも、同等、もしくはそれ以上の効果が比較的簡単に得られることができます。
上唇挙筋(じょうしんきょきん)
【上唇挙筋の起始・停止】
(起始)眼窩下縁直下で、上顎骨の前面上方部に付着。
(停止)上唇の皮膚に付着。
【上唇挙筋の主な働き】
鼻翼と上唇を引き挙げる。
リンパは簡単に流れる
片手を肩より上にあげて、手のひらをブルブル振ってみてください。そして手のひらの色を比べてみてください。きっと、振った方の手のひらが白くなっているはずです。流れる方向さえわかれば、そこに軽い刺激を加えるだけでリンパは流れます。口の周りでは、顎下リンパ節に流れ込みます。大まかには、顔の真ん中か外側方向に向かって流れていると思ってください。
ストレッチオーラル®︎を使う方向
ストレッチオーラル®︎を使い、モダイオラスを口腔内から内側→外側に広げるように使用することで、凝り固まった上唇挙筋をはじめモダイオラスに集結した、筋肉が弛緩し動きやすくなります。その結果、筋肉が動きやすくなり、リンパの滞りも改善されます。結果的に、顔のむくみがとれる、口角が上がるという嬉しい副音効果を期待できます。
頬骨を口の中からマッサージ
体の中で舌筋以外の筋肉にはすべて始まりと終わりがあります(専門用語で起始停止と言います)。
上顎挙筋の始まりは、頬の一番高いところの骨。終わりは、上唇の皮膚です。モダイオラスのマッサージに加え、頬の一番高いところをストレッチオーラル®︎を使って、これまた口の中の粘膜を内から外に伸ばすようにマッサージします。頬の下に垂れさがってしまった筋肉の血行が良くなり、頬の高い部分が上に上がります。
頬が下がっているのは老け顔の特徴の一つでもあります。頬が上がることで老け顔が改善されます。また、口周りの筋肉が全体的に上に上がり、小顔効果が期待できます。
咬筋
自覚がない人がほとんどですが、歯科臨床をしていると、成人の1/3くらいの方に咬筋のこりを発見します。典型的な所見は、頬の上下の歯のところに線が点いている方。
無意識で上下の歯が合わさって、咬筋にストレスがかかっています。
筋肉は弛緩と収縮を繰り返しますが、常に緊張をしていると、弛緩する間もなく、硬直状態(こり)を持続してしまいます。
咀嚼時にしっかりよく噛んで食べるとうことはとても大切なことですが、問題は咀嚼時でない時に、常に上下の歯が接しているです。自分では自覚のない人がほとんどで、ご指摘すると『ほかの人は、口を閉じたときに歯はとじていないのですか』とおどろかれることが、ほとんどです。安静時、“口は閉じるが歯は閉じない”が正解です。咬筋が凝ると
・頬骨にでっぱりが出てくる
・エラが張ってくる
という状態になり、小顔とは逆の方向に向かってしまいます。またお口の中のボリュームが小さくなり、舌やアゴが動かしにくくなり、唾液分泌量が減少したり、咀嚼や嚥下がしにくくなります。
ストレッチオーラル®︎で口腔内から咬筋を内から外に向けて伸ばしてあげると、筋肉が弛緩すると同時に、ンパの流れも改善します。頬の張り、エラの張りが改善され、むくみも取れて小顔効果抜群です。筋肉の反応が良い方は、その場で小顔効果を実感できます。
さらに嬉しい副音が・・
ストレッチオーラル®︎で口腔内からマッサージをすると、筋肉が動き出します。筋肉が動くことで角質層の下にある真皮層の働きを活性化します。するとコラーゲンやヒアルロン酸の分泌が促進されます。コラーゲンやヒアルロン酸にはご存じの通り、皮膚の新陳代謝がよくし、若々しくハリや潤いのある肌になります。
まとめ
ストレッチオーラル®︎を使って、”モダイオラス””頬の高いところ””咬筋”を口腔内から内から外に向かって粘膜や筋肉を伸ばすことで、
・口角アップ
・ほうれい線減少
・小顔効果
・美肌効果
が期待できます。
竹屋町森歯科クリニック 歯科医師 森昭